2009年3月17日火曜日

スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー

フランク・ゲーリーという建築家には以前から興味があって、このような貴重なドキュメント映画を観る事ができてとても嬉しく思います。(とは言っても映画館では観れませんでしたが。)

何故人々は建築家を必要とするのか。普段の生活で想像力を高め、感性を磨き、精神的な豊かさを満たしてくれる。それだけでなく、その建築一つで街の雰囲気がまるで変わってしまうし、街の価値までも高めてしまう力がある。フランク・ゲーリーの建築はその上機能性も重視しており、デザイン性にこだわるあまり機能性を失ってしまうというような事は決してなかった。デザイナーと建築家の違いはそこなんだと思いますが、彼はそれを完璧に創り上げる天才と言えると思います。

映画自体は本当にドキュメンタリーというか、記録映画のようなものですが、なかなか一度にこんなにたくさんの作品は観れないと思うので大変興味深いものでした。写真ではその建築物自体しか観る事ができませんが、映画ではその建物の色んな角度を映していて、周りの建物や街の中でどう溶け込んでいるかというのがよくわかりました。この映画を作るにあたって映像だけで建築を表現するのにだいぶ苦労されていたようですが、建築の映画?としてはじゅうぶんではないでしょうか。

2009年3月1日日曜日

ワーキング・ガール

80年代のニューヨークってこんな感じだったんだなぁ~と、色んな面で勉強になる作品でした。まずはファッションにビックリ。えぇ~~っ、こんな髪型とか服装って、、、本当にどこかクラブなんかに遊びにいけちゃいそうな雰囲気で出社していて。派手な真っ赤な口紅はお決まりメイクで。きっとこういう映画でアメリカン・ドリームを夢見る人もいたのかもしれませんね。特に働く女性の夢をつかむ話ですから、この時期での日本の女性にも影響を与えたのかもしれません。

ストーリー的にはお決まりパターンな感じですが、かえってそれが安心して観る事ができて良かったです。わがままな女性の上司に振り回され、帰宅したら同棲中の彼氏が他の女と寝ていて、彼氏と別れて仕事一本に生きていって、最後に大きな仕事をやり遂げる事ができ、そんな自分に見合った男性がいつの間にか側にいたって話です。その間、最初の彼女は派手な格好で男受けしそうな雰囲気だったのが、見事にキャリアウーマンに変身していきます。

余談ですが、女上司キャサリン(シガーニー・ウィーヴァー)が退院してやっと彼氏に会えるとなった時の行動がかなり面白かったです。香水を振りまき、下着姿で誘惑しようとするが彼氏はまったく乗り気でなく(彼氏は別れを言おうとしていたのだから)、それにすらあまり気づいていない彼女がかなり笑えました。秘書にピルを今すぐ買って来てと頼んじゃうのも唖然としましたね~。(笑)やっぱりアメリカ人ってオープンなのね。

ロリータ

この映画、凄く好きです。日常的にタブーとされている題材についてこんなに赤裸裸に描かれている映画もあまりないですよね。中年男と少女のいけない関係についてですから。。。それにしてもこの子役のドミニク・スウェインさん、とびきり美少女って感じでもないんだけど、何故にこんな仕草ができるのーー??私にも教えてーーっ!!!ってぐらい艶かしい。これはもう天性のものでしょう。

真面目に生きて来た中年男役のジェレミー・アイアンズの雰囲気もすごく合っていたように思います。こんな小さな女の子に翻弄されてしまいどうする事もできなくなっている場面なんて、あまりに彼の純情さが伝わって来て可愛そうになってしまいました。ロリータは本当に悪い子ですよ!(笑)そして恋愛経験の乏しい彼は、段々と彼女を拘束するようになってしまう。それに息苦しさを感じた彼女は何度も逃げ出そうとするが帰る家もなく、結局戻ってしまうのは彼のいる所なんですね。強かな彼女は、彼に愛情を持っているフリをして実はお金だけが目当てだったりして、そんな場面も見ていられないほど彼が気の毒になってしまいました。途中で少し彼の狂気じみた部分も見えましたが、そうさせたのは全て彼女の責任ですからねー。でももっと過激な部分を見せて欲しかった気もします。大学教授をしているダンディで知的な中年男性が、一人の少女と出会ってどう狂っていくのかというのを、そのギャップをもっともっと露骨に描いても良かったかもしれませんね。

それにしても、私はこの映画はキューブリックのものが観てみたいのですが、そっちはまだ観ていません。今更ながらですが、今年中にはキューブリックのロリータを鑑賞したいと思います。