フランク・ゲーリーという建築家には以前から興味があって、このような貴重なドキュメント映画を観る事ができてとても嬉しく思います。(とは言っても映画館では観れませんでしたが。)
何故人々は建築家を必要とするのか。普段の生活で想像力を高め、感性を磨き、精神的な豊かさを満たしてくれる。それだけでなく、その建築一つで街の雰囲気がまるで変わってしまうし、街の価値までも高めてしまう力がある。フランク・ゲーリーの建築はその上機能性も重視しており、デザイン性にこだわるあまり機能性を失ってしまうというような事は決してなかった。デザイナーと建築家の違いはそこなんだと思いますが、彼はそれを完璧に創り上げる天才と言えると思います。
映画自体は本当にドキュメンタリーというか、記録映画のようなものですが、なかなか一度にこんなにたくさんの作品は観れないと思うので大変興味深いものでした。写真ではその建築物自体しか観る事ができませんが、映画ではその建物の色んな角度を映していて、周りの建物や街の中でどう溶け込んでいるかというのがよくわかりました。この映画を作るにあたって映像だけで建築を表現するのにだいぶ苦労されていたようですが、建築の映画?としてはじゅうぶんではないでしょうか。