2008年12月30日火曜日

ピクチャー・パーフェクト

NYの28歳のキャリアウーマンがある男性と運命的な出会いをして、いろいろあったけど最後に無事結婚するというありふれた話。この手の映画はドタバタ劇と一度は別れ→でもお互いの大切さを痛感し再会→結婚という展開が鉄板なのですかね??ああ、またこういう映画かぁ~。しかも舞台がニューヨークってのが何故かとても多い。でも何も考えずにニューヨークの風景を楽しみたいのなら、この手の映画も捨てたもんじゃないですね。私はこれがNY舞台じゃなかったら絶対に観てないです。(笑)一言で言うとバカバカしい。これはユー・ガット・メールやデレンディ・ピティと同じ類ですね。(でも何故か全て観ている私。。。)でもこの映画でケヴィン・ベーコンの存在感の強さを再認識してしまいました。あの彼の存在感というか重さというのはかなり凄いと思います。それはさておき、この映画の中ではかなり野心家で自分が昇進できれば他の人を傷つけても何とも思わない、なんだったらお金で解決しちゃおう!という恐ろしい女性が主人公ですが、こんな女性に惚れる男性の精神状態ってどうなってるの?とかなり驚きでした。やはり彼女の美貌でしょうねぇー。やはり男性は中身より外見なんですね。(笑)

ノー・マンズ・ランド

戦争映画って後で夢に出てきそうで恐ろしいものが多いですけど、これほど残酷で絶望的な映画は今まで観た事がありません。これこそ究極の八方塞がりです。この言葉以外に何も言える事はないです。最後映画のエンドロールが出て来た時に、「え??お願いだからここで終わらないで~~!!」と泣きそうになってしまいました。あまり言うとネタバレになってしまうので言えませんが、とにかくのんびりした映画ばかり観て平和ボケしている方はぜひこの映画をご覧下さい。何か得る物は必ずある筈ですから。私はこの映画で、人間はちょっとした行動で地獄に落ちる事もあり、そして窮地に陥った時に誰も助けてくれない、最後の望みも駄目な時はあっさり見放すんだという事をしっかりと学びました。世の中では諦めざるを得ない、どうしようもない事もあるんです。

さよなら、さよならハリウッド

ウディ・アレンの「目の見えない男性」役の挙動不審さにかなり笑いました。いつも挙動不審だけど、この映画での彼はまた格別です。ストーリーの内容もさておき、この映画の見所は彼の動きと皮肉たっぷりの言葉(これはこの映画に限った事ではないですね)だと思います。しかも他の人の彼女を寝取ってしまうというストーリーは実生活に近いものがありますよね。普通だったら痛いほど批判されてしまう事を自分の映画に取り入れてしまうなんて、さすがウディ・アレンです。自分に向けた皮肉でしょうか。(笑)この映画があまり好きではなかったら、彼の(彼が出演している)映画は全て好きじゃないかもしれないですね。

シネマニア

ドキュメンタリー好きの私が、同じドキュメンタリーの中でもこういうのが一番好き!って胸を張って言える作品です。(笑)NYの映画マニアたちの日々を追った内容なのですが、とにかく彼らのマニア度は半端ないです。映画の事ばかり考えて、絶対に映画館で観ないと気が済まない彼らは秒単位で映画館をハシゴします。それがまた真剣そのもの。映画を観に行くために仕事を休んだり友達の結婚式もキャンセルします。そんな感じなので当然普通に社会生活を送っていくのは難しく、まともな織に就けない=低所得でぎりぎりの生活を送っています。またマンハッタンに住んでいるという事もあり、普通よりもきつい状況だったりしてます。ここまでせんでも。。。っていうぐらい必死で映画ばかり観ているもんだから、もうこっちとしては「ああ、頑張ってね~」という気持ちなってしまいます。(笑)傍から観ている分には興味深いですが、あまり関わりたくない人種ですよね~。でもドキュメンタリー映画としては最高です!

2008年12月29日月曜日

潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ

とにかく凄く凄く大好きな映画です。俳優さんもストーリーも風景も、全て素晴らしい。リチャード・ハリスのかっこいい事といったら。かなりのお年のはずですが、映画の中ではまだ少年のようにうつっていました。映画の中での設定はおそらく70代後半だったと思いますが、毎日筋トレは欠かさず昔船乗りだった頃の自分の思い出を引きずって生きています。でもこの老人になりきれない老人というものを完全に演じきっていて、彼の目は常に好奇心に満ちあふれていて、まだまだ若い人と同じように無茶をやりかねないような雰囲気を醸していました。彼と友達になる同じぐらいの老人は、あまり刺激的な人生を送って来なかったせいか尚更この年になると消極的に、平和だけを望むような性格になっていた。でもこの二人が友達になり、本気で大げんかをし、でもお互いの事が気になって仕方ない。。。まるで中学生とか高校生ぐらいの中のいい友達同士のようにも見えました。海沿いのとても静かな、暖かい土地が舞台になっており、とても心安まる映画でした。静かな映画だけど、ラストシーンは必見です。凄く色んなものが伝わってくる暖かい映画です。

40歳の童貞男

すみません、私たまにB級映画も観るんです。(笑)いつもシリアスな映画ばかり観ていたら疲れちゃうので。

という事で今回はこのB級映画についてです。この映画の童貞男についてですが、昔私の周りに「童貞!」とバカにされていた男性がいました。なので彼とこの映画の男性がとてもかぶってしまいました。しかも性格がとても似ているのです。なので童貞男性ってちょっと同じような性格だったりもするんですかねぇ??(って偏見じゃないですよ!)どことなく常に引き気味で、いつも同じ生活が一番安心で、結構頑固でオタク気味といった感じです。

最後はとても美人な女性に好かれてゴールインするという話ですが、これもまた何も難しい事は考えずに観る事のできる映画なので夜中にお酒を飲みながらぐらいがちょうどいいかなー。

200本のたばこ

80年代のNYでの大晦日の一夜を描いたファンキーな映画です。80年代の化粧や流行の言葉など、英語をそのまま日本語に訳してくれているので雰囲気などとても掴みやすかったです。この映画を翻訳した方は結構苦労なさったのでは?と思うぐらい昔流行ったであろう日本での古い流行言葉をうまく入れていたように思います。

ストーリーは、観ていてかなり笑える部分もあり、今もこの時代も変わりはないんだなぁ〜と思う部分もあり、とにかく気楽にさらっと観る事ができるし明るい気分にさせてくれる映画でもあるので、私的には結構こういうのは好きです。大晦日の夜という事もあって、今の時期にはとても合っている映画でした。

ミスティック・リバー

途中まではとてもドキドキしながら観れる展開だし、結構完成された映画かなぁと思って観ていました。しかし見終わってからのこの気持ちは。。。やはり大半の映画に見られるように、この映画も「中途半端だなぁ」という気持ちが残ってしまった。なぜ中途半端になってしまったのか。それについて書きたいと思います。

ストーリーの最初の部分は非常にいいです。三人の少年が些細な事で事件に巻き込まれ、何十年も経った後にこの事件に翻弄されていくという内容。でも何が映画の中の大きなテーマになっているのかが曖昧になっているような気がする。私としては小児性愛の被害に遭った男性の精神状態についてをもっともっと綿密にリアルに描いて欲しかったです。そしてその男性の苦悩や人にはわからない複雑な心理を少しずつ表していって、それを事件と絡めてほしかったのだけど。。。映画ではそのあたりが甘い感じがしました。奇麗にまとまりすぎているがゆえにリアルではないし、結局何が言いたいのかがぼんやりしてしまっている。そしてジミーの犯罪を繰り返してしまう理由についても、もっと細かく説明するように描いてくれればなぁと残念に思いました。あれじゃあ一人一人のキャラに共感できないし、観ている人はずーっと客観的な視点になってしまうと思います。とにかく素材はとてもいいのだから、もっと人物像をはっきりさせてもっと今までの人生の苦悩などを綿密に描いてもらうと全く違ういい映画になると思いました。

2008年12月23日火曜日

パンチドランク・ラブ

この主役の男性、なんだかあか抜けなくてかなり変わり者で、、、なんというか、あの「40歳の童貞男」という映画の主役とかなりかぶってしまいました。(笑)やることなすこと全てがダサイ。。。でも傍から見ていると結構笑えるんですよね~。で、何故か両方とも彼に惚れてしまうのは美人なキャリアウーマン。やはり、自分とかけ離れたものに魅力を感じてしまうのでしょうかね。ちなみに私はこの手のタイプの男性はどうしても好きになれません。きっとあのブルーの(ダサイ)スーツを見ただけで、ああっ、無理!!って思ってしまいます。(笑)あと、7人の姉たちにぶち切れて、途中で好きな女性の電話番号を姉から聞き出す時の切れっぷりには爆笑してしまいました。。。おいおい、そこまで切れんでもって思わず突っ込みを入れたくなる程面白いシーンですね。こういうのとても好きです。あとはお姉さんたちの弟への言動は、日本もアメリカも同じなんだなぁ~と勉強になりました~。やはり末っ子の男の子って、どうしても色々みんな手を出すしとにかく貶すし、何でも言ってしまいますね。でもあんなに切れたくなるほど本当は頭に来る事も多々あるんでしょう。。。これも勉強になりました。(笑)

2008年12月21日日曜日

ミリオンダラー・ホテル

おそらく私が一番好きな映画監督がヴィム・ヴェンダースで、彼の作品で一番好きなのがこの「ミリオンダラー・ホテル」です。こんなに美しい映画ってなかなかないと思います。ヴェンダースの映画は全て美しい写真のような映像で大好きなのですが、この映画の冒頭のシーン(朝焼け)の美しさと言ったら、もう他にないですね。あのU2の曲とマッチしていて、主演のジェレミー・デイヴィスも私の一番好きな俳優さんだし、もう何も言う事なしの映画です。ヴェンダースの映画を観出してからこういう雰囲気って本当に好きだなって思って、それから写真を撮る時の参考にもなってきているように思います。静かな映画だけど、何度も何度も観たくなるような素敵な映画です。ロスのダウンタウンが舞台なのですが、あの寂れた感じのホテルをちゃんと見つけ出した監督も素晴らしいし、その治安の悪い場所で実際に生活をしてみたというジェレミー・デイヴィスやミラ・ジョヴォヴィッチも凄いですよね。あのホテルはいつか一度は本物を観に行きたいなぁと思っています。

ピアニスト

やっぱりこの人(ハネケ)って変態だなぁ~と思わざるを得ないような映画です。でも目が離せない、かなり危なっかしい映画です。ハネケの映画は目を覆いたくなるようなシーンの多いものばかりですが、この映画はまた別の意味で「観たくない」と思わされてしまう作品。でも「どうしても観たい」という衝動にかられてしまう。人間が他人に一番見られたくない部分というか、秘密にしておきたい部分って誰にでもあるじゃないですか。そんな部分を赤裸々に描いている作品が多いんですよね。この映画もそうです。外では厳格なピアノ教師なのに、実は40代にして性に目覚め変態的な行動を取っているなんて誰にも知られたくない。かなり衝撃的な内容です。でもいつもハリウッド物ばかり観ている人になんか特に観て欲しい映画ですね。きっとこれを観たらますますこういったマイナーな映画は観たくなくなると思いますが。(笑)

マッチポイント

ウディ・アレン監督のシリアス映画です。もちろん監督はこの映画には出てきません。(笑)そしてスカヨハの迫真の演技はかなりの見物です。スカヨハはとある(悪い)男と不倫をしてしまうのですが、かなりリアルな場面などあって最後まで目が離せない映画でした。最後の修羅場の場面なんて、、、あれは彼女にしかできない演技です。ストーリー的にも最後にはかなり衝撃的。不倫をしている時の不安感や欲求不満などの強い感情などが描かれていて、あまりにリアルで怖かったです~。あ、監督も経験があるからこんなリアルな映画が作れたんでしょうね、きっと。(笑)いつものあのウディ・アレン節を観飽きた方は、この映画を観てまた監督の違った一面をご覧下さい。

めがね

かもめ食堂にひきつづき荻上直子さんのシリーズ的映画第二弾です。かもめ食堂に出てくるあまりに美味しそうなお食事と、あのまったりとした雰囲気と美しい風景に惹かれて、この映画も絶対に映画館に行こうと思いちゃんと映画館で観ました。

感想は、正直少し物足りなさを感じてしまいました。前作のかもめ食堂があまりに良すぎてしまったのでしょうか。料理も今回は和食がたくさん出て来てとても美味しそうなんだけど、何故かかもめ~の時よりインパクトが薄い。今回の舞台は日本の南の島という事もあり風景もそこまで強烈な印象は持てず。もっと奇麗な海などの場面を出してもらえれば良かった気がしますが、その辺がちょこっと中途半端にも感じました。ストーリーも、なんだか、うーん、、、ちょっと消化不良って感じですかね。のんびりまったりな雰囲気はいいのですが、前作に比べてちょっとメリハリがなさすぎちゃったかな。

ミツバチのささやき

最初から最後まで、まるで美しい幻想的な絵本でも観ているような、そんな不思議な感覚にさせてくれる素晴らしい映画です。この映画は私の中でもベスト5に入るぐらいの大好きな映画ですね。主演の少女の純真無垢で本当に本当に可愛らしい姿は、かなりの必見モノですよ。子どもの時の気持ちやその時の視点で観る色んなものが、自分の中でどんどん蘇ってきます。そして子どもたちの、大人の想像を超える想像力も改めて実感させられます。私も子どもの時にあまりに会いたい想いが募って夢でサンタクロースを観たのですが、あれは絶対に本物のサンタさんだ!!と親に言い張っていました。夢でなく幻覚だったのかな?(笑)でもその時の風景は今でもちゃんと覚えています。この映画は、そんな子どもの頃の不思議な体験を呼び起こしてくれるような心のあったかくなるようなお話です。

2008年12月20日土曜日

私がクマにキレた理由(わけ)

大好きなスカヨハの映画です。しかも大好きなNYが舞台という事で絶対に見逃せない!っていう事で、ちゃんと映画館で観てきました。話はマンハッタンのアッパーイーストという地区(いわゆる富裕層の中でも一番の富裕層が集まっているエリア)で彼女が何故かナニー(家政婦兼子どもの教育係?)をする事になってしまうという内容。でもあまりにスカヨハが色っぽすぎて、こりゃ雇われた先の主人にセクハラされても仕方ないわな~と思ってしまった。(笑)アッパーイーストに行くと、確かに他のエリアと全然雰囲気が違うので(見た目でわかるかなり金持ちそうなマダムばかり歩いているから)、まぁ金持ちエリアという事は認識していたけれど、ここまでとはね~。でも最後のスカヨハの行動はかなりスッキリしました!よくやった!!って感じです。日本人の金持ちもこのエリアに住んでいる人が多いって聞きますが、こんなに閉鎖的な雰囲気の中果たしてソツなく暮らして行く事ができるのでしょうかねー。とうでもいいですが、私はこのエリアに行くといつも決まって「教授(坂本龍一さん)に会えないかな?矢野顕子さんに会ってしまったら絶対に一緒に写真を撮ってもらおう!!」と意気込んでいるのですが、残念ながら一度もお目にかかった事はありません。

えびボクサー

滅多に出会わないぐらいのくだらない映画。C級、、、いやD級かE級と言ってもいいぐらいのくだらん映画。でも最後まで観てしまいましたが。(笑)真剣にコメントするのもバカバカしいのですが、、、夜中に一人で部屋で飲みながらテレビを観たら何にも番組がやってなくて、でも何か観たい!という時にでも観たらいかがでしょうか?何も考えずにただひたすら時間潰しで観るにはいい映画だと思います。

レッスン!

NYのかなり治安の悪い地域にある高校で社交ダンスをする事になったお話。普段はクラブで踊っているようなファンキーな高校生達にとって社交ダンスはかなりダサイものに写ったようだ。でも印象としては意外に素直じゃんって感じで、それぞれ家庭の事情が重すぎて荒れるにもそれなりの理由があるんだなぁ~という事が観ているうちにわかってきます。

ダンス講師役のアントニオ・バンデラスは今までマッチョで濃いイメージしかなかったけど、この映画では全く濃くないしかなり紳士的なイメージです。ていうか、かなり素敵な男性にうつってます。(笑)今まで全く興味がなかったけど、この映画を観てから「なんて素敵な人なんだ!!」とメロメロにされてしまいました。

映画の舞台はNYのハーレム地区と思われます。(地下鉄の場面で103st.だったので。)風景も、ハーレムで観た風景と同じだったので恐らくそうでしょうね。マンハッタンに住んでいる貧困層が抱える問題をリアルに描いていて、そんな場所で暢気に旅行して写真を撮ったりしている私なんかを彼らが観たら、さぞかしバカに見えるだろうなぁーと実感。。映画自体は本当にあった話を映画にしているのだけれど、私的にはもっとドキュメンタリータッチで描いて欲しかった気がします。なんだかとてもいい映画だとは思うけどちょっと物足りなくて。私自身が無類のドキュメンタリー映画好きだから仕方ないのですけどね。最後に感動する事をあまり狙っちゃ行けないと思います。いい映画なのだから、ダンスしていく姿をもっとリアルに追って欲しかったです。でもそれを言うと「ステップ!ステップ!ステップ!」や「ベルリンフィルと子どもたち」と微妙にかぶってしまうかな。

2008年12月14日日曜日

アパートメント

何気なく観てしまった。この手の映画は全く観ないと言ってもいいぐらいなのですが(シックス・センスみたいなのは面白くて好きですが)、あまりにベタな内容なので、ホラー映画に恐怖を感じる私でも安心して?観る事ができました。内容は、極めて薄い(笑)。だから夜中に一人で暇つぶしで観るには最適な映画だと思います。出演している女の子たち(名前がわかりませんが)は、みんな美人ばかりで見応えがあります。うーん、それぐらいかな。感想は。。。

2008年12月12日金曜日

かもめ食堂

基本的にこういうテンポや雰囲気の映画が大好きです。しかも途中で出てくるお料理の美味しそうな事といったら!!改めて日本の家庭料理の美味しさを実感してしまうような映画です。片桐はいりさん、もたいまさこさんのアクの強い存在も最高です。小林聡美さんの「いらっしゃい!」の言い方も、誰にも真似できなさそうで好きだし。今流行りの北欧デザインの家具や雑貨もたくさん出て来て、なんだかほっとできます。シンプルで機能的で美しい物に囲まれていて、まるで主役の小林聡美さんを象徴しているようでもありました。映画館で観るのももちろんいいですが、家でまったりのんびり観るのにも最適な映画です。

シティ・オブ・ゴッド

今までブラジルに対してとても魅力的な部分しか考えていなかった私でしたが、この映画を観てからブラジルのゲットーの恐ろしさを知ってしまいました。。。頭では貧富の差が激しい事や治安がとても悪い(銃撃戦などよくある事)とわかってはいたのだけれど、それは所詮ネットなどの文字を通じて知った事であって実感するには至りませんでした。でもこの映画の恐ろしさと言ったら。。。これを観て、本当にブラジルは恐ろしい場所なんだなぁと思いましたよ。ビーチなどの風景は魅力的でしたが、子ども達たちの中で大人顔負けの殺人集団が出来上がってしまっているのだから。しかも子どもって無垢な分洗脳してしまうと本当に恐ろしいんですよね。ここの子ども達はテレビゲームなんてした事ないと思うけれど、まさにその感覚で仲間の子ども達を殺していきます。まだ小さな子どもが必死に命乞いしても、無情にも笑いながら殺していきます。途中、目を覆いたくなる場面はたくさんありました。でも最後まで観なきゃ、これが現実なんだからと頑張って観ました。今日本でのほほんと暮らしている自分にとっては刺激の強すぎる映画でした。でもだからこそ観ておくべき映画なのではないかと思います。

2008年12月10日水曜日

真珠の耳飾りの少女

画家フェルメールと、その若い召使いとの微妙な関係を描いた作品。その召使いがスカーレット・ヨハンソンなのですが、このフェルメールの絵に本当にそっくりなんです。とてもとても奇麗です。映画自体のストーリーはとてもしっかりしていて分かりやすく、映像もまるでフェルメールの絵の中にいるような美しさです。彼を取り巻く愛憎、嫉妬、才能、貧困など、全てがリアルに力強く描かれていると思います。やはり見所はスカヨハの純粋無垢な少女を演じる演技力ですね。すごく繊細で、観てみてとても助けたくなってしまいます。

コーヒー&シガレッツ

ジャームッシュだなぁ、、、という感じの映画です。(笑)真剣に集中して観るという種類の映画ではありません。ただ、コーヒーを飲みながらタバコを吸って他愛無い話をする二人、という感じで短いストーリーが何本か入っているというものです。でも私、こういう雰囲気の映画が大好きなんですよ。何かストーリーを求めて観るわけじゃないんです。ただ映像を観て、例えばカフェで隣の人たちが話しているのをボケーッとしながら何げなく聴いているような、そんなイメージです。映像もなんだかくすんだようなハッキリしない雰囲気なんですが、そこが凄く楽なんですよねー。私の場合この映画を観るのは、週末の夜にワインのボトルを1本あけてまったりしている時ですね。笑。

ベッカムに恋して

サッカー女子の青春映画。タイトル通りベッカムのファンの女の子たちがサッカーを一生懸命にするっていうお話です。この映画の見所は、なんといってもキーラ・ナイトレイですね。彼女は今や色んな映画にひっぱりだこの超美人な女優さんですが、この映画の彼女はとてもボーイッシュでイメージが全然違うと思います。(でも細くてとーっても奇麗な顔をしてますが。)途中でレズに間違えられたりする場面もあり、そんな所もまた新鮮だったりします。基本的に明るくて前向きな映画なので、もちろん最後もハッピーエンド。テンポ良く観る事ができる健全な映画です。

ステップ!ステップ!ステップ!

NYのパブリックスクールに通う子ども達の、ダンスコンテストに向けてのドキュメンタリー映画。私が最初にこの映画を観たのは飛行機の中で、その題名は「Mad Hot Ballroom」というものでした。その後全然話題にもなっていなかったので日本ではやらないのかなーと思っていたのですが、単館系の映画館でこの邦題で上映していたようです。ドキュメンタリー映画は大好きだけど、この映画は私の大好きなNYが舞台だったため、本当に最初から最後までじっくり観てしまいました。やはNYのキッズたちは大人のような口を訊いたり、おませな雰囲気の子ばかりなんだけど、でもこのプロジェクトに対しては先生も子ども達も真剣そのものでした。この社交ダンスを通して相手に合わせるという事を学んだり、礼儀を学んだりしていったようです。子どもの頃からダンスなどにこうやって親しんでいる事で、こっちの人はみんなダンスが上手い(というか、普通の人でも普通にダンスできる)のかなぁーと思いました。日本ではなかなか小学校などでこんなプロジェクトを組んでくれたりしないでしょうからねぇ。このダンスコンテストの決勝戦は、ロウアーマンハッタンのウィンターガーデンで行われます。前に行った時に奇麗な建物だなぁと思ったのですが、ここで決勝戦が出来るなんてやっぱりマンハッタンの小学校は(パブリックにしても)凄いなぁと思いました。ストーリー自体は淡々と進んでいくのですが、途中で子ども達の生の声が聞けたりして、それがなんだか日本人の子どもとしか接していない自分にとってはとても新鮮に写りました。セントラルパークで練習したり、とにかく環境が良いので羨ましいですね。

タロットカード殺人事件

スカーレット・ヨハンソンの大ファンなのですが、おまけにウディ・アレンの大ファンである私にとって、この組み合わせは素晴らしく魅力的なものでした。ストーリーはどうでも良くて(笑)、あのいつもの皮肉たっぷりなウディ・アレン節が最高です。そしていつもの彼に対してまさにドS的発言を繰り返すスカヨハに同性の私すら「萌え〜〜」状態でした。(スカヨハみたいなお色気ムンムンの女性にあんな言葉を吐かれたら、誰でもクラクラっと来ちゃうんじゃないでしょうか?笑。)その掛け合いが本当に最高なので、そういう意味でも私の中でこの映画の評価は高いです。

2008年12月9日火曜日

セックス・アンド・ザ・シティ

ドラマのほうは殆ど観た事がなく、友達に連れられて映画に行ってきました。ニューヨークが舞台なのでもちろんオールNYロケでその部分ではとても観甲斐がありました。話もテンポ良く、映画自体は結構長い時間だったにもかかわらず飽きずに楽しく観る事ができました。ただ、この自由気ままな彼女達の大都会での生活に憧れるけれど、、、これはキャリアもありお給料もかなり貰っているからこそできる事であって、この映画を観て「NYの独身の女の人って、かっこいいなぁ~」なんて思うのは間違っていますよね。(そんな事思う人なんていないか。。。)物価も家賃も東京より全然高いNYで、貯金もあまりできないまま欲しいものもそんなに買えず、ぎりぎりで生活している独り身の人は大勢いると思います。私から観たら雲の上のような生活でしたが、憧れというか、色々と妄想して楽しめた分良かったと思います。(笑)

2008年12月8日月曜日

高慢と偏見1〜3

この時代の話は無条件に大好きです。(少女マンガちっくだとバカにされるかもしれませんが。。。)なのでこの映画は1〜3までの長編にもかかわらず、私は毎日続けて一気に観てしまいました。とにかく次がどうなんだろう!!と気になって仕方のない映画です。この映画はイギリスのBBCが製作したものですが、後に「プライドと偏見」というタイトルでリメイク版が上映されましたね。こちらのほうが観ている方も多いと思いますが、私は断然こっちの「高慢と偏見」派です。なんと言っても私はコリン・ファースの大ファンだし、ジェーンもエリザベスもこっちのほうがずーっとリアルに描かれていました。容姿も振る舞いも含めて全てこちらの映画のほうがリアルで、真実味も感じられます。正直「プライドと偏見」を観た時はかなりあっさり(時間も3分の1だから仕方ないけど)終わってしまって、どこで感動するの?という感じでしたが、こちらの映画では、最後は感動の余り涙涙、、、となってしまいました。本当に優しさがにじみ出ているジェーンが幸せになった時、こちらまで幸せな気持ちになれました。それにこちらの映画のほうが姉妹愛が濃く描かれていて、そういう面でも完全にこちらのほうが上です。

ゴースト・ワールド

スカーレット・ヨハンソンの大ファンな私なので、彼女の初期の頃の映画もぜひ観てみたいとDVDを購入して観てみた映画です。まず、この映画は本当に「当たり」でした。すっごい大好きです。ストーリーはまあまあなのですが、彼女の友達に対するクールな態度が何とも言えません。。。ああ、こういう人たまにいるなぁ〜という感じの同じクラス(高校)の張切り女子に対してのあの返し方、かなりクールです!!しかも親友の身勝手さに我慢できなくなり、堪忍袋の緒が切れて「死ね」と暴言を吐いたりもしてないです。この映画の中の彼女は、私の大嫌いないわゆる「すかした女」と全く逆の、冷静で、嫌なタイプの女には皮肉で返すような女の子です。だから共感できる部分も多かったりして、余計にスカヨハのファンになってしまいました。余談ですが、冴えない男として登場するスティーブ・ブシェミって、何でこんなにダサイ男の役にハマるんでしょう。(笑)他の映画でも彼ってこんな雰囲気の役にハマってますよね〜。ああ、またこんな役やってる〜って感じで見るだけで笑えてしまいます。

監督ばんざい!

北野武ファンの私にとって、この映画はなんの不思議も感じないものでした。うん、タケシなら仕方ないなぁ~って感じですかね。(笑)でも私はこの手の映画がとっても大好きです。なので最初から最後までずっと「面白い!」と思いながら観ていました。やっぱりタケシのギャグは世界一ですね。今いるお笑いの方達には失礼ですが、彼ほど計算された皮肉たっぷりの芸人っていないと思います。だから誰もまだ彼を超える人もいないですね。

死ぬまでにしたい10のこと

主役のサラ・ポーリーは私の大好きな映画監督ヴィム・ヴェンダースの 「アメリカ、家族のいる風景」にも出演してた私とタメの女優さんなんだけど。 彼女はアンチ・ハリウッドでこういうマイナーな映画によく出ているんですね。 主人公のアンは23歳の、二人の女の子のお母さん。 旦那は失業中なので自分が夜勤(大学の掃除)に出かけ生計を立てている。 ある日突然、自分の寿命が2、3ヶ月だと告げられる。 私はその時、きっと彼女は荒れたり泣きわめくシーンがあるんだろうなと思った。 でもこの映画の中でそんな激しい場面は何一つなく、 アンは周りにこの真実を告げないまま、ただ淡々と毎日が過ぎて行く。 自分の死を静かに受け止め、周りの幸せだけを考え、 自分がいなくなった後の、愛する人たちの幸せだけを考え毎日が過ぎて行く。 「ただ、みんなの幸せだけを願う。死んだら無になるだけだから。」 最後にそのような台詞が流れ、場面が真っ白になって全てが終わる。 死ぬってこういう事なんだなと改めて感じさせられてしまった。 アンは死の宣告を受けてから、それを受け止めるのが早かった。 そして10項目の「やるべきこと」を挙げている。 それはとても日常的な内容もあり、ちょっと切なくなってしまった。 でも半分以上は自分の事でなく、子ども達の事や旦那の事についてだった。 「愛する夫を支えてくれる、子ども達を可愛がってくれる女性」 を真剣に探し見極めるシーンは、自分には絶対に出来ないと思ってしまった。 愛し合っている若い夫婦なのに、何故別の人を探さなくてはならないのか。 でもきっと、自分の事よりも他人を愛する事ができるのなら当たり前の事で、 それができない私はきっと他人より自分が一番好きなのかもしれない。 30歳独身女子の、嫌でも自己中になりがちな自分の生活環境にとって、 かなりタイムリーな映画だったなぁと改めて痛感してしまった。 とにかくこの映画は死をテーマにした「ありがちな」ものではないです。 きっと子どもがいる人が観たらもっと別の視点になるのかもしれないですけど、 観る人によってそれぞれ色んな想いが溢れて来るような、 そんな素敵な映画です。

コーラス

主役の少年は、実際にリヨンの少年少女合唱団に所属している(た?)らしい。それでこの演技力だから、かなり多才だなぁーと感心してしまった。映画の中で言われているけれど、まさに天使と言える顔立ちと美声です。ストーリー自体はごく単純で、予想通りの展開です。でもこういう単純でわかりやすい映画もたまに観るにはいいです。まったり、正当派のいい映画を観て感動したいなという時にお勧めですね。彼らのコーラスはとても素晴らしいです。この歌声はずーっと聴いていたいなと思いました。

2008年12月7日日曜日

インランド・エンパイア

これまた難解な映画です。今まで観た中で一番難解と言ってもいいぐらいの作品です。しかも210分の長編ときたもんだから。。。でも私は最初から最後まで一瞬も休まず集中して観てしまいました。それだけこの映画には何か不思議なものがあります。何だろう、、、映像とかストーリーとか、正直わけわかりません。所々で分かっても途中で一気に崩される、みたいな感じです。この映画は同じデビッド・リンチ監督作品の「マルホランド・ドライブ」のような謎解きのような楽しさがあるわけでもなく、ただただ、漠然と印象深い場面が(まるで悪夢を観ているような、悪夢の一片のような)頭の中をカメラのシャッターのようにカシャッときられているような、そんな印象を受けました。この映画はもうこれ以上深追いをしちゃいけないなぁと思います。でも何となく他のデビッド・リンチ監督ファンの方達の意見が知りたくて色んなサイトをまたまた駆け巡ってしまいました。(笑)そこで見つけた中で面白い物を発見してしまいました。監督の大ファンのアメリカ在住の精神科医の方が書いていた内容ですが、この映画のテーマは「統合失調症の初期の症状だ」というものです。主人公の女性が観た物、感じたものは全てこの病気の初期症状と同じだと言うのです。その先生曰く、「この映画は統合失調症を発症した女性をテーマにした話だ、といえば全て辻褄が合う」というような事を書いていらっしゃいました。この見解は新しいなぁーと思い、そういう先入観を持ちながら再度観てみると、あぁ~なるほど!!と思える場面が多々ありました。なので私の中でこの映画の見解は、この精神科の先生のもので今の所納得しています。

善き人のためのソナタ

久しぶりに、心から「凄い!!」という映画を見ました。 映画のあらすじは、 ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台に、 強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージの実態を暴き、 彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした話題作。 との事ですが。。。 簡単に言うと、シュタージの大尉がある劇作家を盗聴する事になり、 最初は彼に対して批判的だった大尉も、 彼の本当に人生を楽しんでいる姿と自分の今の姿を比較してしまう。 そして彼に対して段々と羨望を抱いていき、彼の作品にも触れ、 彼が水面下で進めていた反国家的な活動についても知らないフリをしてしまう。 あまり書くとネタバレになってしまうので書けませんが、 このシュタージの描写ももの凄くリアルで、観ていてハラハラします。 それもその筈、この映画の監督も実際にここに盗聴された経験があるとの事。 こんなに映画を観て大泣きしたのは初めてかもしれません。 本気で泣きました。あまりにリアルで素晴らしい内容で。 見終わった後もしばらく放心状態になってしまいました。 

ミシェル

主演のオドレイ・トトウって、何でこんなにエキセントリックな役がハマるんでしょうねー。「愛してる、愛してない...」でも、かなり執着心の強い女性の役をさらりとこなしていたし。この映画では彼氏がユダヤ人だったためその勉強をしているうちに自分がのめり込んでしまい、彼女がユダヤ教の勉強会のような場所に無理矢理連れて行くというシーンがあります。そこでわかったのは、ユダヤ人でもユダヤ教にマニアックに詳しい訳ではないっていう事です。(笑)ユダヤ人にユダヤ教の習慣を強要したりする場面は結構笑えます。

マルホランド・ドライブ

こんなに凝った映画を観たのは初めてかもしれないです。初めてじゃなくてもそう思わざるを得ないような映画です。デビッド・リンチの映画って映像も話も幻想的だけど、この映画はわけわからない内容じゃない。むしろ知れば知る程「もっと知りたい!」という衝動に刈られるような映画です。謎がどんどん解けていくたびに身の毛がよだつほど恐ろしい気持ちになります。でも怖いもの観たさというか、、、私もこの映画の細部まで仕組まれた全てが知りたくて、色んなサイトを駆け巡ってしまいました。本当はこういう映画は自分自身の心で判断するもので、何が正しいとかそういう物ではないと分かっているんですけどね。好奇心旺盛な私はすぐに色々と調べたくなってしまうのです。

後半部分のナオミ・ワッツの豹変ぶりにはただただ驚くばかりでした。そしてこの場面が始まって初めて「あぁ、現実はここからなのかぁ。随分長い前振りだったなぁ。」と気づいたのです。それにしてもあの演技は恐ろしいです。それぐらいの変わり様だったので。それまでは良家のお嬢様風のとても心優しい女性だったのに対し、本当の彼女は嫉妬にまみれ憎悪と絶望感だけしか残っていない女優になりそこねた女性だったのですね。この時に、あの青い箱の意味が初めてわかりました。この箱についてもかなり色んな場所で議論されているようですが、私はそこまで深読みせず「あぁ、こういう事を言いたかったのね」程度で済ませるようにしています。

個人的には「クラブ・シレンシオ」の場面が一番好きです。ああいうのって、夢の中での一場面みたいですよね。とても幻想的で悲しくて美しくて寂しくて、なんだかこの映画の中核をあの場面で表しているのではないかと思いました。あまり生身の人間の温かみを感じられる雰囲気でなく、逆にとても冷たく暗いイメージで、まるで死者を迎え入れるような場所に思えて仕方ありませんでした。